2021年11月1日月曜日

鍵 #ノベルバー day1

 祖父母の気難しい家を引き継ぐことになった日、たくさんの鍵の束を前に祖母は「鍵束の中から甘い鍵を一本だけ探し当てなさい。それがその時刻の鍵よ」と、紅茶を飲みながらのんびり言った。
「鍵が違っていたら?」
「ポストに淹れたての紅茶を注いで、やり直し」