懸恋-keren-
超短編
2013年2月19日火曜日
夜と朝を渡る橋
夜はゆっくりと橋の上を歩く。星々を眺めながら。
流星に挨拶をしようとするけれど、成功したことはない。
橋は美しい螺鈿の細工が施されている。毎晩歩いても飽きることはなかった。
橋を渡り終える頃になると、夜は朝と名を少しずつ変えていく。
靄の中から朝の足取りがはっきりしてくる頃、向こう岸へ辿り着く。
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