2011年12月1日木曜日

益鳥

スズメは田んぼの小虫を食う。もちろん大勢のスズメは米も大好物だ。
ところがあるところに、「益鳥」という言葉の意味を知ってしまったスズメがいた。
「害鳥」という言葉もその時にしってしまった。
そして、スズメはここの農家の跡継ぎ息子を慕っていた。
「わたくしは益鳥の中の益鳥になりましょう」
とスズメは決めた。一切の米を断ったのである。
スズメはカカシに囁いた。
「わたくしが米を我慢しても、タカシさんは褒めてもくれません」
カカシは思う。タカシはよくできる百姓だが、スズメを見る目はないらしいな、と。