2011年3月7日月曜日

月の客人

「ごめんください」
深夜に紳士がやってきた。近頃は不意の訪問者が多い。
「新しいお月さまはこちらですか」
「え、いや、あの……そのように言う人もいるようですが」
「お月さまに貴方が次期『月の人』だと伺いまして」
紳士は「月の客人」だと名乗った。
「月の客人」は、しばしば「月の人」を訪問することになっているそうだ。
星入りココアを二人で飲み、月について語り合った。

「『月の客人』は、新しい人と交代しないのですか?」
ふとそんなことを尋ねると、客人は答えた。
「『月の人』のような交代はありません。貴方は私にとって三十二人目の『月の人』ですよ」
次回の来訪の時には、一人目の「月の人」の思い出話を聞かせてもらうことを約束した。 
 
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3月5日『超短編の世界3』出版記念パーティに行ってまいりました。
会場は、噂だけは聞きまくっていた高円寺の「みじんこ洞」です。
お食事は家庭料理。美味しくいただきました。たくさん食べました。また行きたいな。
小さい店内という言い訳で、毎度のことですが隅っこに居座ってしまいました。
ごめんなさいごめんなさい。

もっと居たかったところを後ろ髪引かれつつ、みじんこ洞を後にする。
……しっかり終電でありました。

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タカスギさん、がくしさん、たなかさんのお話を聞いて、『超短編の世界』シリーズがようやっとこのような形になってよかったなあ、ここに参加できて嬉しいなあと、少ししんみりしました。
がくしさんの発掘力、たなかさんのバッチリな校正、タカスギ氏の想い、美柑さんのブックデザイン、どれがなくても『超短編の世界3』はなかったのだな、と。
   「愛を」