懸恋-keren-
超短編
2008年9月26日金曜日
解剖学的嗅ぎ煙草入れ
煙草入れが煙草の解剖をすっかり終えるのに、五分とかからない。その頃には煙草を鼻に入れたって何の味も香りもしないはずなのだが、三郎さんは実に満足そうに嗅いでいる。煙草入れはそれが不思議で仕方ないのだけれど、三郎さんは煙草入れには入れないので、煙草入れは三郎さんを解剖できずにいる。
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