懸恋-keren-
超短編
2006年5月28日日曜日
やわらかな、ばら色
ロードクロサイトという石を雑貨屋で見つけた僕は、にわかに心がざわついた。
思い出せそうで思い出せない。
「ねぇ? この石のカンジ、何かに似てるような……」
と彼女に呼び掛けた。
「どれ?」
振り向いた彼女のくちびるを見たぼくは、もっと心がざわめいた。
ああ、僕はロードクロサイトにキスをしたかったんだ。
次の投稿
前の投稿
ホーム