懸恋-keren-
超短編
2004年4月19日月曜日
だ
彼のダラリとしたダンスとだらしない濁声は大不評だった。
彼は人々に駄目男と言われた。
だが、大王はこのダンスが一目で大好きになった。
「大胆なダンスは断然だ」
その途端、男は誰にも駄目だのださいだのと言われなくなった。
それどころか「伊達男」と呼ばれるようになった。
男のダンスは相変わらずダラリとしているし、濁声のままなのに。
やがて大王が荼毘に付された。
伊達男はダサ男に戻った。
男のダンスはダラリとしたままだし、濁声は相変わらずだ。
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