空は蒼白に染まっている。
ここにはそっくりな塑像がいくつも揃っている。
そびえたつ塑像は騒々しく、そよ風の損傷は底知れない。
それゆえ空模様はそぞろで争乱は絶えないが、総帥はそっけない。
某は爽快な蒼穹の下で即席の素麺が食べたいだけなのに。
2004年3月31日水曜日
2004年3月30日火曜日
せ
セルロイドのゴーグルつけて、セメントのセスナ機で世界を席巻するぜ。
どう?精悍な青年だろ?
世界は狭いんだ。
迫りくる世紀末と背比べしよう。
切羽詰まった時には接着剤をつかえばいい。
生還できるさ。きっと世界は静穏になる。
星座が精彩を放つ日がくると誓言するよ。
どう?精悍な青年だろ?
世界は狭いんだ。
迫りくる世紀末と背比べしよう。
切羽詰まった時には接着剤をつかえばいい。
生還できるさ。きっと世界は静穏になる。
星座が精彩を放つ日がくると誓言するよ。
2004年3月27日土曜日
2004年3月26日金曜日
さ
寒い朝、山菜を肴に最高の酒を呑みながら
三歳のサムライは月代をさする。
寒い昼、サンドイッチを肴に山椒のサワーを呑みながら
三歳のサムライは砂漠を散歩する。
寒い夜、刺身を肴に冷めた白湯を飲みながら
三歳のサムライはサンタクロースを探す。
さもありなん
三歳のサムライは月代をさする。
寒い昼、サンドイッチを肴に山椒のサワーを呑みながら
三歳のサムライは砂漠を散歩する。
寒い夜、刺身を肴に冷めた白湯を飲みながら
三歳のサムライはサンタクロースを探す。
さもありなん
2004年3月25日木曜日
ご
ごっそりと五臓六腑にしみわたるごちそうにゴキブリは極楽気分である。
誤解しないで欲しい。ゴキブリにとってのごちそうはゴミである。
語弊があるならば、こう言おう。
我々ゴリラのゴミがゴキブリのごちそうである。
ごめんなさい。
誤解しないで欲しい。ゴキブリにとってのごちそうはゴミである。
語弊があるならば、こう言おう。
我々ゴリラのゴミがゴキブリのごちそうである。
ごめんなさい。
2004年3月24日水曜日
2004年3月23日火曜日
ぐ
偶然、愚息に会ったんだ。
久々に見る愚息は相変わらず愚鈍そうで、具足を身につけているもののグロテスクな姿だった。
グリセリン塗った頭はグニャグニャでグズグズ鼻をすすりながら「ぐへ」とも「ぐひゃ」ともつかないグウの音を出していた。
「グミ」とグリグリした手をぐいと差し出すので
仕方なくグミをやった。
愚息は礼も言わずにぐんぐん歩いていった。
おっと、愚痴が過ぎたようだね。グッドバイ
久々に見る愚息は相変わらず愚鈍そうで、具足を身につけているもののグロテスクな姿だった。
グリセリン塗った頭はグニャグニャでグズグズ鼻をすすりながら「ぐへ」とも「ぐひゃ」ともつかないグウの音を出していた。
「グミ」とグリグリした手をぐいと差し出すので
仕方なくグミをやった。
愚息は礼も言わずにぐんぐん歩いていった。
おっと、愚痴が過ぎたようだね。グッドバイ
2004年3月22日月曜日
ぎ
ギャングの目がギラリと光る。
ギリギリと鳴っているのは機械仕掛けの義手だ。
ここは銀座の銀行の前。二人のギャングは議論の真っ最中。
通行人をぎょろりと睨みながらの議題は
「疑似恋愛における儀式の義務の有無について」
ギリギリと鳴っているのは機械仕掛けの義手だ。
ここは銀座の銀行の前。二人のギャングは議論の真っ最中。
通行人をぎょろりと睨みながらの議題は
「疑似恋愛における儀式の義務の有無について」
2004年3月21日日曜日
が
外国製のガウンを着た学生と、ガーターベルトのガールがガチンコ対決。
ガンガンガツガツ頑張ってる。
二人を崖から眺める画家の名は、ガリレオ・ガレ。
画家はガムを噛んで我慢我慢。
がっぽり儲けた画材屋が、ガソリン撒いたら
画家はガスの害で骸骨化、ガムが画布にくっついた。
ガリレオ・ガレと画材屋の合作完成。
画材屋、ガッツポーズ。
画竜点睛とはこのことなり。
ガンガンガツガツ頑張ってる。
二人を崖から眺める画家の名は、ガリレオ・ガレ。
画家はガムを噛んで我慢我慢。
がっぽり儲けた画材屋が、ガソリン撒いたら
画家はガスの害で骸骨化、ガムが画布にくっついた。
ガリレオ・ガレと画材屋の合作完成。
画材屋、ガッツポーズ。
画竜点睛とはこのことなり。
2004年3月20日土曜日
2004年3月18日木曜日
く
黒眼鏡の組長は臭い靴を食い散らかす癖があった。
九月のある日暮れ、黒眼鏡の組長は鎖で首をくくられくたばった。
くよくよ悔やんでもしかたない。
組長が雲の上で苦しんでるよ。
供養してやりな。それが功徳ってもんだ。
九月のある日暮れ、黒眼鏡の組長は鎖で首をくくられくたばった。
くよくよ悔やんでもしかたない。
組長が雲の上で苦しんでるよ。
供養してやりな。それが功徳ってもんだ。
2004年3月17日水曜日
き
気むずかしい金魚屋は体を鍛えて筋骨隆隆。気合十分、金魚を売る。
「きんぎょー!!えー!きんぎょー!!」
生真面目な貴婦人は金魚売りの気管支を危惧したのだが、それが金魚売りの気に触った。
気まずい気分の君たちの、キューピットになってあげよう。
きゅっときつく抱き合ってキスしてごらん。
「きんぎょー!!えー!きんぎょー!!」
生真面目な貴婦人は金魚売りの気管支を危惧したのだが、それが金魚売りの気に触った。
気まずい気分の君たちの、キューピットになってあげよう。
きゅっときつく抱き合ってキスしてごらん。
2004年3月16日火曜日
か
神様の隠れ家は海王星にある。
神様はそこで買ったばかりの開襟シャツを着て、カステラをかじりながら蚊取り線香を作り、金を勘定して過ごす。
近頃の神様の関心は、戒名である。
かっこいい戒名を考え、紙に書き出すのが快感らしい。
神様は神の価値を顧みない。
神の加護がありますように。
神様はそこで買ったばかりの開襟シャツを着て、カステラをかじりながら蚊取り線香を作り、金を勘定して過ごす。
近頃の神様の関心は、戒名である。
かっこいい戒名を考え、紙に書き出すのが快感らしい。
神様は神の価値を顧みない。
神の加護がありますように。
2004年3月15日月曜日
お
大きな扇がお家騒動の追い風となった。
逃げおおせた王家だが、落ち武者に追い剥ぎされた。
その上、お世辞にも男前とは言えない王子が女に犯され、穏和な王妃は嗚咽。
ついに横暴な王は掟を破り、落ち武者に折り詰めをお裾分け。
落ち武者たちは大喜び。
王に恩を感じてオバケになっても追いかけた。
おいおい、怨念の恩返しだよ。
おしまい
逃げおおせた王家だが、落ち武者に追い剥ぎされた。
その上、お世辞にも男前とは言えない王子が女に犯され、穏和な王妃は嗚咽。
ついに横暴な王は掟を破り、落ち武者に折り詰めをお裾分け。
落ち武者たちは大喜び。
王に恩を感じてオバケになっても追いかけた。
おいおい、怨念の恩返しだよ。
おしまい
2004年3月14日日曜日
え
駅長が駅弁を笑顔で届けると絵師は会釈を返す。
その映像は衛星放送によって映じられた。
駅弁の中身は海老と枝豆。絵師の栄養はこれがすべて。
エプロンをつけ、エメラルド色の絵の具を絵筆に取ると、絵師はエレベーターで円盤に乗り込んだ。
えっへん、絵空事のはじまりだ。
絵師の影響は永久に永遠。
その映像は衛星放送によって映じられた。
駅弁の中身は海老と枝豆。絵師の栄養はこれがすべて。
エプロンをつけ、エメラルド色の絵の具を絵筆に取ると、絵師はエレベーターで円盤に乗り込んだ。
えっへん、絵空事のはじまりだ。
絵師の影響は永久に永遠。
2004年3月13日土曜日
う
うすのろ浦島は麗しの海亀に胡散臭い歌を歌う。
海亀、卵を産む。噂によると初産である。
通りかかったウイスキーを飲むうろんな植木屋。
海亀打って憂さ晴らし。
うかつに手を出すと憂き目に合うぜ。
植木屋の薄汚い上着に蛆虫うようよ。
呻く植木屋のウイスキーを浦島が奪う。
浦島、旨いウイスキーを飲んでウハウハ。
海亀、卵を産む。噂によると初産である。
通りかかったウイスキーを飲むうろんな植木屋。
海亀打って憂さ晴らし。
うかつに手を出すと憂き目に合うぜ。
植木屋の薄汚い上着に蛆虫うようよ。
呻く植木屋のウイスキーを浦島が奪う。
浦島、旨いウイスキーを飲んでウハウハ。
2004年3月12日金曜日
い
井戸の中の椅子に居座る医師はいつまでもいなくならないイガグリ頭の居候に苛立ち、いつも威嚇用の雷をいじっていたがいつしか居眠り、いびきをかきはじめた。
居候は意気軒昂いきり立った。
医師を虐めようと委員会で言い放つ。意義なし。居候の以外にだれもいないのだから。
居候は急いで井戸を這い出し井戸の入り口から石を入れる。
命乞いむなしく医師は一瞬で生き埋め。
医師の遺志により遺骨は田舎の池のイグアナの餌になった。
なんて卑しく忌まわしいこのイガグリ頭の居候。
居候は意気軒昂いきり立った。
医師を虐めようと委員会で言い放つ。意義なし。居候の以外にだれもいないのだから。
居候は急いで井戸を這い出し井戸の入り口から石を入れる。
命乞いむなしく医師は一瞬で生き埋め。
医師の遺志により遺骨は田舎の池のイグアナの餌になった。
なんて卑しく忌まわしいこのイガグリ頭の居候。
2004年3月11日木曜日
あ
秋のある暑い朝、青空に赤い雲が現れるころ
あたしはあいつの足に「アイシテル」と挨拶した。
朝顔と紫陽花が「あらまあ、あこぎなこと」とあしらったので
あたしとあいつは雨宿りと相なった。
あいつの網にかかった虻の味は甘かった。
あたしはあいつの足に「アイシテル」と挨拶した。
朝顔と紫陽花が「あらまあ、あこぎなこと」とあしらったので
あたしとあいつは雨宿りと相なった。
あいつの網にかかった虻の味は甘かった。
2004年3月9日火曜日
2004年3月7日日曜日
2004年3月6日土曜日
2004年3月5日金曜日
かぼちゃ
「かぼちゃ風呂か。珍しいな」
他に客はいなかった。
気ままな一人旅で、温泉や浴場を見つけては入った。
「いらっしゃいまし」
「え?」
「かぼちゃですよ、旦那」
「ひぇー、かぼちゃが口をきいた」
「まま、そんなに驚かないで。不思議な体験も、一生に一度くらいようござんすよ」
かぼちゃはなかなかいいテノールの声だった。その声に誘われて湯に浸かった。
かぼちゃはどこからか酒を持ってきて、私に勧め、その声でこの風呂の歴史を語った。
その後、私の背中を流した。
私がそろそろ上がる、と言うと、お土産が外に置いてあるから、と言った。
脱衣所のカゴには私の荷物の上にパンプキンスープの缶が載っていた。
寂れかけた風呂屋に似合わないハイカラな品に、吹き出してからハッとした。
風呂場に戻ると、かぼちゃは居なくなっていた。
他に客はいなかった。
気ままな一人旅で、温泉や浴場を見つけては入った。
「いらっしゃいまし」
「え?」
「かぼちゃですよ、旦那」
「ひぇー、かぼちゃが口をきいた」
「まま、そんなに驚かないで。不思議な体験も、一生に一度くらいようござんすよ」
かぼちゃはなかなかいいテノールの声だった。その声に誘われて湯に浸かった。
かぼちゃはどこからか酒を持ってきて、私に勧め、その声でこの風呂の歴史を語った。
その後、私の背中を流した。
私がそろそろ上がる、と言うと、お土産が外に置いてあるから、と言った。
脱衣所のカゴには私の荷物の上にパンプキンスープの缶が載っていた。
寂れかけた風呂屋に似合わないハイカラな品に、吹き出してからハッとした。
風呂場に戻ると、かぼちゃは居なくなっていた。
2004年3月4日木曜日
2004年3月3日水曜日
2004年3月2日火曜日
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