懸恋-keren-
超短編
2004年2月6日金曜日
すいか
「こりゃ。勢いよくプッとやらんか」
おいらがスイカの種をちまちま取りながら食べていると
じーちゃんが言った。
「うまく飛ばせないんだよ」
「何度もやるうちにできるようになる。ほれ、こうだ」
じーちゃんはスイカにかぶりつき庭に向かって種を飛ばした。
「ご先祖さまに失礼のないようにな」
「え?ご先祖さま」
「そう。スイカの種の一粒づつがご先祖さまのなごりなのだよ」
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