お月様は自分がまるいのを自慢に思っている。
「どうだ!まぁるくていいだろう?マルは美しいのだ」
「こちらではサンカクが重宝なんですよ。ほら、あのタワーを見てごらんなさい。サンカクがいっぱいだ」
「・・・あれは人気があるのか?」
「すごく有名だし、人気だよ」
十五夜、こちらを見上げた者たちの驚きように、月はご満悦だった。
2002年5月31日金曜日
2002年5月30日木曜日
2002年5月29日水曜日
2002年5月28日火曜日
2002年5月27日月曜日
2002年5月26日日曜日
2002年5月25日土曜日
A ROC ON A PAVEMENT
歩いていく先に大きな石が見えた。
それは色がどんどん変わっていった。
目の前まで来たとき、石は紫になっていた。
傘の先でつついたら「ポキョーン」と音がしてどこかへ飛んでいった。
家に帰ると、さっきの石を小さくしたような紫の動物が
「ポキョーン ポキョーン ポキョーン」
と鳴き続けていた。
それは色がどんどん変わっていった。
目の前まで来たとき、石は紫になっていた。
傘の先でつついたら「ポキョーン」と音がしてどこかへ飛んでいった。
家に帰ると、さっきの石を小さくしたような紫の動物が
「ポキョーン ポキョーン ポキョーン」
と鳴き続けていた。
2002年5月23日木曜日
どうして酔よりさめたか?
黒猫が来た晩、しこたま酔っ払った。
翌日も翌々日も、酔ったままだった。
四日目になって、やっと風呂に入ったら
シャワーが言った。
「ケケケ。ずいぶん久しぶりじゃないのかい?何に溺れてたんだ? 女か?酒か?両方か?」
黒猫のヤツ、なんてことをしてくれたんだ……。
おかげで酔からさめたけれど。
翌日も翌々日も、酔ったままだった。
四日目になって、やっと風呂に入ったら
シャワーが言った。
「ケケケ。ずいぶん久しぶりじゃないのかい?何に溺れてたんだ? 女か?酒か?両方か?」
黒猫のヤツ、なんてことをしてくれたんだ……。
おかげで酔からさめたけれど。
2002年5月22日水曜日
2002年5月21日火曜日
ニュウヨークから帰ってきた人の話
長い間音信不通だった知人がニュウヨークから帰ってきたと電話してきた。
彼は
「アメリカの月はとんでもないことになっている」
と言った。よくよく聞いてみると
「月が銀色の顔をしているんだ!」
帰ってきて月はどう見える?と訊くと
「ちゃんとうさぎが餅ついてるよ」
彼は
「アメリカの月はとんでもないことになっている」
と言った。よくよく聞いてみると
「月が銀色の顔をしているんだ!」
帰ってきて月はどう見える?と訊くと
「ちゃんとうさぎが餅ついてるよ」
2002年5月20日月曜日
2002年5月19日日曜日
2002年5月18日土曜日
2002年5月17日金曜日
2002年5月16日木曜日
2002年5月15日水曜日
AN INCIDIDENT AT A STREET CORNER
夕闇のなか、家路を急いでいた。
家につく最後の角を曲がったら、また、曲がる前の道に出た。
もう一度、曲がったら、今度は家の先の道に出た。
「なあ、早く帰りたいんだが、なんとかしてくれよ」
そう言うと、空が歪んで見えた。
家につく最後の角を曲がったら、また、曲がる前の道に出た。
もう一度、曲がったら、今度は家の先の道に出た。
「なあ、早く帰りたいんだが、なんとかしてくれよ」
そう言うと、空が歪んで見えた。
2002年5月14日火曜日
見てきたようなことを云う人
「月の裏側は、真っ赤なのだ。黄色が不足したから」
「流れ星っていうのは、パチンコで飛んでるのだ」
「あの黒猫はもう248年も生きている」
そう言いながら向こうから歩いてきた男は、お月様と同じタバコの香りがした。
「流れ星っていうのは、パチンコで飛んでるのだ」
「あの黒猫はもう248年も生きている」
そう言いながら向こうから歩いてきた男は、お月様と同じタバコの香りがした。
2002年5月13日月曜日
2002年5月12日日曜日
2002年5月11日土曜日
2002年5月10日金曜日
2002年5月9日木曜日
黒猫を射ち落とした話
窓から見える塀の上を黒猫が歩いていた。
それはだんだんと巨大になり、しかもこちらに向かってものすごい速さで突進してきた。
銃を向けるとそいつはますます大きくなり、周りの景色は見えなくなった。
バン!
巨大猫は塀から墜落した。見に行くと、そこには大量の砂利が落ちていた。
むこうの屋根に黒いしっぽが見えた。
それはだんだんと巨大になり、しかもこちらに向かってものすごい速さで突進してきた。
銃を向けるとそいつはますます大きくなり、周りの景色は見えなくなった。
バン!
巨大猫は塀から墜落した。見に行くと、そこには大量の砂利が落ちていた。
むこうの屋根に黒いしっぽが見えた。
2002年5月8日水曜日
A TWILIGHT EPISODE
薄暮の街を歩くとき、まるで彼の地にいるような心地になる。
すべてが見慣れない景色になって、普段見えない人たちとあいさつを交わす。
あの黒猫ですら機嫌がよい。
夢でも現実でも構わない。
その中間、ってことはないんだから。
すべてが見慣れない景色になって、普段見えない人たちとあいさつを交わす。
あの黒猫ですら機嫌がよい。
夢でも現実でも構わない。
その中間、ってことはないんだから。
2002年5月7日火曜日
煙突から投げこまれた話
夜遅く、足早に家へ向かっていたら、上の方で、何かが二つ光って
「そんなに早く帰りたけりゃ、手伝ってやろう」と声がした。
襟首を持ち上げられて、家の上空まで運ばれ、煙突にポトリと落とされた。
「おい!痛いじゃないか!しかも身体中ススだらけだ」
「せっかく運んでやったのに。しかたがない」
すると今度は全身をぴちゃぴちゃと舐められた。
「そんなに早く帰りたけりゃ、手伝ってやろう」と声がした。
襟首を持ち上げられて、家の上空まで運ばれ、煙突にポトリと落とされた。
「おい!痛いじゃないか!しかも身体中ススだらけだ」
「せっかく運んでやったのに。しかたがない」
すると今度は全身をぴちゃぴちゃと舐められた。
2002年5月6日月曜日
THE MOONRIDERS
THE MOONRIDERSは月の明るい晩にしか現れない。
誰にも気づかれることはない。彼らは精鋭なのだから。
それでも彼らを見たいと思ったら、よく晴れた満月の真夜中、自分の影としゃべりながら散歩してみればいい。
風もないのに影が揺らめいたら、それはTHE MOONRIDERが駆け抜けた証だ。
耳を澄ませば彼らの轟きを、鼻を利かせば彼らの煙を、感じられるかもしれない。
誰にも気づかれることはない。彼らは精鋭なのだから。
それでも彼らを見たいと思ったら、よく晴れた満月の真夜中、自分の影としゃべりながら散歩してみればいい。
風もないのに影が揺らめいたら、それはTHE MOONRIDERが駆け抜けた証だ。
耳を澄ませば彼らの轟きを、鼻を利かせば彼らの煙を、感じられるかもしれない。
2002年5月4日土曜日
2002年5月3日金曜日
電燈の下をへんなものが通った話
電燈の下を何かが通ったような気がして振り返ったが、何もなかったので再び歩きだそうとすると、また何か緑色の光がすぅっと通ったのでもう一度見ようとしたが、何も見えなくてあきらめようとしたのに、今度は耳のような形のものが跳ねるのを、確かに見たような気がするのだがよくわからなかった。
2002年5月2日木曜日
2002年5月1日水曜日
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