超短編
九月某日、曇。今年初めての柿を食べる。子供の頃は好まなかった。酸味も果汁もない果実は甘いだけのナニカであった。柿を食べられるようになったのは年を取ってよかったことのひとつだ。窓から鳥が恨めしそうに覗いているので「柿の木地図」をやった。渋柿ばかりだと念を押したが喜んで飛んで行った。