2025年9月10日水曜日

暮らしの140字小説34

九月某日、曇。風船の敬老会に呼ばれた。シワシワの赤い風船、空気が抜けてクタッとした橙色の風船、一人で浮遊している青い風船。それぞれに可愛い。私は萎びた黄色い風船を大事に持って、調子外れの歌を歌った。隣の白い風船は最長老、気持ちよさそうに浮いている。老風船にバルカン・サリュートを。