超短編
鉄骨が一本、また一本と外されていく。あっちでは観覧車が、こっちでは跨線橋が解体されている。横たえられた鉄骨たちは草臥れ果てて眠っているように見えた。こんなに細かったんだねぇ、ぼくたちを支えていたものは。鉄骨たちが寝ているこの場所も、以前は電波塔が立っていた。空がどんどん広くなる。