超短編
猫は脛に頭をぶつけてくる。これは憎からず思っている証らしい。つまり挨拶だ。挨拶だから頻度は高い。我が脛は猫の頭に相応しく変化している。右の脛は猫が擦りやすいように少し角ばってきたし、左の脛はぶつかられた私に快感が走るように感覚が鋭敏になってきた。左に、と今日も猫に懇願する。