2020年4月19日日曜日

糸のように細いお茶

この家に何日滞在したと数えるのは困難である。
時計はあるが、秒針のリズムはおそろしく速い。
こちらがゆっくりと呼吸し、ゆっくりと動くと、秒針もゆっくりになるのだった。
それが「そう見える」だけなのか、時間が実際に伸び縮みしているのか、考えるのはやめにした。

速度をコントロールできなかった当初、何もかもがあっという間だった。
だが、ゆっくり動くこと、ゆっくり話すことを覚えてからは、体感と実際の一日の差は小さくなっていった。

お茶も糸のように細く注ぐことができるようになった。
青い鳥は悠長で鷹揚になり、青い羽はますます美しく輝いた。