懸恋-keren-
超短編
2020年3月10日火曜日
自動輪唱
時間が違うのか。
小さい島なのか。
人はいないのか。
疑問がたくさん出てきて、強い不安感に襲われる。
そうしているうちにまた、勢いよく月が動き、あっという間に太陽が顔を出した。
人を、探さなければ。
「消えず見えずインクの旅券を持つ者と、相見える者はおらぬか」
青い鳥が唱える。
「消えず見えずインクの旅券を持つ者と、相見える者はおらぬか」
一呼吸、いや、もっとすぐだった。
青い鳥の声が後ろから聞こえてきた。青い鳥の声が島を一周したのだ。
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