遊園地から最寄り駅まではモノレールが便利だ。遊園地に何をしに行ったかは、もう忘れたけれど、私はいま、モノレールに乗っている。
平日の昼間、モノレールは空いている。私と、知らないおじさんが一人。
おじさんは私の隣に座って話しかけてくる。なんてことのない世間話で、適当な相槌を打つ。
最寄り駅の空中に着いた。降りるときに、母が忘れた買い物バッグが先頭の座席にポツンと置かれていることに気が付いた。
かつて私が着ていた服で作った買い物バッグだから、母のものに間違いない。野菜や卵が入っている。遊園地はスーパーマーケットではないはずだが。
モノレールを降り、頼りない外階段を長々と降りると、最寄り駅の改札だ。
見上げるとモノレールの線路は消えている。
このまま実家に行き、買い物バッグを母に届けることにする。