懸恋-keren-
超短編
2017年1月2日月曜日
一月二日 通学路
かつて通った町へ行ってみた。
この町に通っていたその頃は短いスカートを一年中穿いていたけれど、もうそのスカートを捨てたのかどうかも覚えていないくらい昔の話だ。
学校から駅へ向かう道を歩いてみる。痴漢注意の看板、一か所だけ欠けたブロック塀、あの頃のままだ。
かつて通った駅ビルも、ほとんど変わっていなかった。あの頃と同じテナントが入り、あの頃の流行りの服が売っていた。
時計を見て気が付いた。うるう秒を刻み逃したのだ、この町は。
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