龍の髭が抜け、大地に落ちる。髭は根を下ろし、赤い花を咲かせた。
数百年かけてじっくり枯れた花は、さらに長い時間を掛けて変質する。いつしか龍石炭となったが、そのまま長く長く眠っていた。
龍石炭を見つけたのは、白い仔馬とその飼い主である少年だった。
花の形をしたまま石炭となった龍石炭を見つけた仔馬は天を仰ぎ見て嘶く。龍を呼んだのだ。
地上に現れた龍、かつて自らの髭だった龍石炭を大地から取り上げ、飲み込んだ。龍は花の形そっくりの炎を小さく吐いて、仔馬に感謝を表し、天に帰る。
白い仔馬と少年は、再び龍石炭を探す旅に出る。