グニュ、とも、ブニュ、ともつかない、奇妙な踏み心地だった。
新しく買ったサンダルは、履いたその日に壊れてしまった。
壊れたというのは正確ではないか。だって革が切れたわけでも、底が外れたわけでもないのだから。
そりゃあ、もう、何度も矯めつ眇めつあちこち検めたから、間違いない。物理的にはどこも壊れていない。
ただ、へんてこな気味の悪い踏み心地が、時折現れるのだった。
一体、このサンダルの前世は何を踏んでしまったのだろう。そう考えながら、真夏のアスファルトを歩く。
最近、よく蛇を見るのは、何故だろうね。