真っ先に山火事に気がついたのは例によって鳥たちだ。
鳥たちの大騒ぎで混乱に陥る獣たちの中で、象だけは冷静だった。
象たちは火を消してみようと相談した。
そりゃあ、自慢の鼻を使えば水を撒くなんてことは簡単だ。だが山火事には太刀打ちできない。
そこで象たちは考えた。
重たい象の上に牝が、その上に若い牡が、その上に仔象が乗ったら、ずいぶん空に近づいた。
象ビルディングがたくさん建つと、下の象から上の象へ、水を汲み上げた。
仔象たちは喜んで水を空に撒き散らす。
虹が出来た。象は一斉に吠えた。
雲がやってきた。また一斉に吠えた。
雷鳴が轟く。負けじと吠えた。
雨が降った。
山火事が収まると、もう一度、虹が出来た。