懸恋-keren-
超短編
2011年6月8日水曜日
海戦に参加した海豹
あるとき海豹は、機雷に遭遇した。
まったく迷惑な話だ、と海豹は思いながら、機雷を片付けることにした。
ふと見渡すと、そこかしこに機雷があるので、海豹は仲間に呼びかけて、全部撤去したのだった。人間のやることは、実に意味がわからない。
撤去した機雷は、近くにあった船に放り投げておいた。
船はまもなく炎上した。時限式の機雷が爆発したのだ。
そのころ陸上では、どこかの国の海軍の偉い人が作戦失敗の罪で罰せられていたが、投下したはず機雷がどうして船に戻ったのかわからずに、頭をひねっていた。
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