目覚まし時計は毎朝きっかり午前7時に僕を起こしてくれるものと信じていた。様子がおかしくなったのは月曜日からだ。
月曜日、目覚ましが鳴って、カーテンを開けるとお日さまは高かった。
火曜日、目覚ましが鳴って、カーテンを開けると夕日が眩しかった。
水曜日、目覚ましは鳴らなかった。
木曜日、目覚ましは鳴らなかった。僕は電池を取り換えた。
金曜日、目覚まし時計は寝室になかった。冷蔵庫の中にいた。
僕は冷蔵庫の中で背を向けている目覚まし時計に話し掛けた。
「何故、起こしてくれないんだ?」
「だって、きみがあんまり気持ちよさそうに寝ているから。きみ、最近とても疲れているだろう?」
心優しいこの目覚まし時計を、僕はどうしたらいいだろう?