懸恋-keren-
超短編
2007年12月25日火曜日
十二月二十五日 自己主張する電話
電話線が壊れて、電話が鳴らない。鳴らない電話はただの番号釦付きの機械だ。電話線が直るまで、黙っていればいい。
なのに、ディスプレイは始終ビカビカと点滅を続け、留守番電話釦はいつもにまして真っ赤になっている。
どうやら、電話はSOSを出しているつもりらしいのだ。
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