「三太、拙者はどうしても手に入れたいものがある」
「当ててご覧にいれやしょう。……ダイヤ。やっぱり大泥棒を名乗る者としてはダイヤは外せねえ」
「その通りである。計画はすでに綿密に立ててある」
「さすが親分」
「ダイヤをいち早く手に入れれば、アレをとるのも可能である」
「ダイヤの他にも何か盗るんでござんすか」
「見ていればわかる」
午前一時、三太と中井は駅に向かった。もちろん唐草スカーフは忘れない。
「親分、駅に来てどうするんでございやすか」
「駅でいただくのが確実だからである」
「ダイヤと言ったら金持ちか宝石店と相場が決まっているでござんしょ」