懸恋-keren-
超短編
2004年5月18日火曜日
ゆ
ゆゆしき事態だ、とユキダルマは思った。
夕暮時、家々から漏れる湯気に当たっても
歪みも緩みもしないだなんて。そろそろ融解してもよいのに。
ゆっくり雪解けとともに溶けていくはずだのに。
ユキダルマはゆりかごに揺られながら夢をみている。
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