2026年4月24日金曜日

#春の星々140字小説コンテスト「布」投稿作

廃墟だと思っていた建物から音程の狂ったオルガンの音が聞こえる。教会のようだ。中にはオルガニストも司祭もいない。埃が詰まったパイプにブラシを通し古布で磨くと、オルガンは美しく厳かな音楽を奏で始めた。窓から光が差す。涙が溢れる。共に歌う人が欲しいが、このゴーストタウンでは夢のまた夢。