2025年5月25日日曜日

暮らしの140字小説17

五月某日、雨。夜中、急に豚汁を作る。ひと口食べたところでハタと気づく。このままでは熱くて冷蔵庫に入れられない。室温は二十五度、そのままにするのは危ない。盥に氷水を張り、鍋を浸し、団扇で扇いだ。深夜の所業に笑いが込み上げる。祖母の形見の舞扇が踊りに飛んできた。手伝いのつもりらしい。