2017年9月26日火曜日

九月二十六日 詩集

一度読んで、そっと閉じた詩集があった。カタツムリが無音でしゃべる詩が延々とつづいた。
音のない詩なのにページを繰る音ばかりがだんだんと大きくなるので、それが爆音にならないうちにとそっと閉じたのだった。
その詩人の本をまた手にとった。9年ぶりだった。今度は子猫がしゃべる詩がつづく詩集で、無音ではなかった。ページを繰る音は、聞こえなかった。