懸恋-keren-
超短編
2014年1月13日月曜日
奇行師と飛行師15
奇行師の言葉を固唾を呑んで待つ一行。
「ここからは、徒歩で行く!」
しかし、これは大いなる間違いだったのだ。砂漠に慣れた瘤姫、図体の大きい鯨怪人、飛行可能な飛行師、所詮は人間の奇行師、結局は蝸牛の蝸牛男が、足並みを揃えて歩けるわけがないのだった。
「奇行師さーん、どこを目指せばいいのー?」と先頭の瘤姫が振り向いて奇行師に問う。
奇行師はありったけの大声とパントマイムで答えた。
「森へ!」
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