超短編
蟻の行列踏み潰したのはわざとではなかった。「こら!! ありんこ踏みつけおって!」叱られ声に驚き当たりを見回したが、祖父の姿はない。足元を見やると混乱する蟻の群れに祖父がいた。 「ごめんなさい、わざとじゃなかったんです」頭を下げて謝ると、蟻は軌道を立て直して再び行進を始めた。祖父は三年前に他界している。