超短編
「Dマイナス!」とうとう隣の女の子もペパーミント症候群に罹ってしまったみたい。「Dマイナス!」あんなに勉強が得意だったのに、「Dマイナス」ばっかりだ。落ち込んでるくせに、大声上げて答案用紙を掲げる彼女を、ぼくはオロオロと宥めすかす。ぼくの「フランクリン症候群」を誰よりも心配してくれていたのに。いや、きっとぼくのフランクリン症候群が彼女に感染して、ペパーミント症候群が発症したんだ。そう考えたら、なんだか愉快だ。