懸恋-keren-
超短編
2012年1月17日火曜日
ホトトギス
「イエローのアイラインが美しいですね」
と、ホトトギスに言う。本当にきれいだと思ったのだ。
「ヘチマ水で目を洗うのです」
そう言ったホトトギスの口中は、血のように赤かったから、それは真っ赤な嘘なのだろう、と思う。
大体、彼は名前が多すぎるところからして、信用ならぬ。杜鵑、時鳥、子規、不如帰、郭公、無常鳥……
明日は、ヘチマの洗眼液の作り方の本を図書館で探す。
子規記念博物館
訪問の記
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