懸恋-keren-
超短編
2002年7月24日水曜日
缶コーヒーが引き起こしたぬるま湯とは
私が何をしたというのだろう。
自動販売機の前で缶コーヒー片手にしゃがみ込んでいる男に声を掛けただけなのに。
「おつりが転がってしまって」
と言って男は立ち上がり私を縛り上げて車に乗せた。
何故こんなに冷静でいられるのだろう。
今、生まれて初めて鉄の塊をつきつけられているというのに。
ああ、なんだかぬるま湯を浴びているような
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