超短編
「O香」という駅で電車を降りる。超満員電車だったが他に降りた人はいない。迎えの車で病院に行く。部屋は和室、患者は私一人。大勢の同じ顔の看護師がすべての世話をしてくれる。私がやることは、まばたきだけ。手術を終え、誰にも会わないままO香を離れた。「るびせんか」と読むことは後から知った。