2017年11月19日日曜日

十一月十九日 なぜ誰も歩かないのか

いつものように自宅を出ると、通行人が皆、自転車に乗っていて、歩いている人がほかにいないことに気が付いた。
老若男女の自転車に追い越され、なんだか居心地が悪い。家に戻って自転車に乗って出てくる、という技は使えない。なぜなら自転車を持っていないから。
大きな通りに出れば、歩行者もいるだろうと思っていたけれど、残念ながら当てが外れた。誰もが自転車に乗っていて、誰も歩いていない。
いつもの時間にいつもの道を歩いているだけなのに、不安に駆られて走り出す。徒競走は万年ビリだから、走ったって自転車のスピードにはとても追いつけないのだが、そうせずにはいられなかった。
ところがどっこい、自転車をどんどん追い抜いて、追い抜いて、追い抜いて、いつのまにやら私は知らない田んぼのあぜ道にひとり。