懸恋-keren-
超短編
2015年6月30日火曜日
六月二十八日 黒雲あらわる
俄にかき曇り、瞬く間に大粒の雨。私は高い塔から雲の様子を眺めていた。
遠方で数頭の長頚鹿が空を仰ぎ見ている。
そこに、とりわけ黒い雲があらわれ、長頚鹿を一頭、また一頭と、産み落とした。
長頚鹿は、大きな群れとなり、喜びを溢れさせながらどこかに消えていった。
横浜マリンタワーにて
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