懸恋-keren-
超短編
2015年6月14日日曜日
六月十二日
カラスが枇杷を食っている。黒い体に枇杷の色が眩しい。
少年がカラスを威嚇している。枇杷を食うカラスが許せない。少年は黄色い学童用の傘を武器に、カラスを脅しているが、カラスはまったく意に介さない。私も少年を援護する。が、やはりカラスは素知らぬ顔。
枇杷の木は大きく、枇杷の実までは手が届かない。私と少年は、カラスが羨ましい。
次の投稿
前の投稿
ホーム