懸恋-keren-
超短編
2015年5月11日月曜日
五月十一日 のど飴
咳き込んでいると、小さなおじいさんが向こうからやってきた。女物の日傘を差している。今日はすばらしくよい天気だ。
「おまえさん。喉の調子がよくないようだ。これを進ぜよう」
のど飴だという。袋には、難しい漢字がたくさん書いてある。
あんまりあやしいので、近くの薬局で「これ、ありますか」と見せてみると、確かにそののど飴は売っていた。「とても効くと評判ですよ」と言われたので、買って帰った。喉は、きっとよくなるだろう。
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