超短編
郵便配達の人がやってきて、「お届け物です」と手渡してくれた。
きっと楽しみにしていた本だ。
ところが郵便配達の人は「きっとお師匠さんですね」と言った。
「おししょうさん」ではなく「おっしょさん」と発音した。
私は「え?」と言って、その場で開封した。
すると「急げ!」と言って、小さなおばあさんが走っていってしまった。
郵便配達の人は「私はお師匠さんを追いかけます。次のお宅に師走を届けなければいけませんので」と言って、やっぱり走って行ってしまった。
本は、ちゃんと入っていた。