2014年11月15日土曜日

十一月十五日 シンデレラ

職人は私の足に恭しく靴を履かせた。


それはぴったりに見えたのに、職人はなにかが気に入らないらしく、ブツブツ言いながら足を触る。


「作り直します」と職人はキッパリと言い、出したばかりの靴を慌ただしく箱に収めた。


ガラスの靴が、ショーケースに並んでいる。私の靴は、ガラスの靴でなくていいのだ。


でも、どんな靴を作るかは、職人が決めること。


シンデレラにさせられるのか、そうではないのか。


私はしばらく不安な日々を過ごす。