2014年8月2日土曜日

八月二日夏祭り

踊り踊るなら、提灯の数を数えるのはやめておいたほうがいい。


と、アイスキャンディーを食べながら、甚兵衛姿の少年が囁いた。


「え?」と振り返ったら、水鉄砲の攻撃を受ける。


顔が濡れたまま、踊りの和に入った。数えない、数えないと思っているのに、いつのまにか、踊りながら提灯の数を数えている。


「丸丸商店街」の文字が網膜に焼きつく。「1、2、3、4、5……」


何の唄が流れても、炭坑節を踊ってしまう。