風呂場のスノコにたくさんの海藻が生えている。
ワカメ、コンブ、其他たくさん。
不気味に思ったが、父が「これは美味い」と言っている。もう食べたのか。
そういうわけで、親戚一同集まっての、海藻サラダパーティーと相成った。
マヨネーズ醤油で食べると美味しい。
ポットの湯を飲もうと湯のみに注いで飲んだら、昆布茶だった。
とても美味しかったので、そのまま三杯飲んでから「今度は紅茶が飲みたい」と言ったら、ポットからただの湯が出てきた。
贅沢を言い過ぎたようだ。
迫り来る闇の中に駆け込んだクリーニング店。
店員は引き換えの紙切れを片手に、おびただしい数の衣類を掻き分けている。
いつまで経っても私のワンピースは出てこない。
店員はズボンを取り、紙切れをにらめっこをし、ズボンを戻す。
店員はコートを取り、紙切れとにらめっこをし、コートを戻す。
私は不安になり、「ワンピースです」と小声で言う。
すると一斉にワンピースがドサドサと床に落ちた。
店員は「黙っていてください……」と申し訳無さそうに、だがキッパリと言う。
私のワンピースは、あらゆるワンピースの下敷きとなっていた。
息を切らせてワンピースを掘り出した店員の顔は、夕闇と同化して目鼻が見えない。