超短編
ボール紙が厚くなる一方だった。
「私は薄いボール紙が欲しいのだけど」というと手に持っていたボール紙はズシンと硬くなり、厚みを増すのだ。
これは天邪鬼だと思って、「やっぱりボール紙は厚くなくっちゃね」と言ってみたら、やっぱりズシンと硬くなった。
どうにか薄いボール紙にしようとしたが、とうとう3mmの厚さになった。
もう鋸で切るしかないなと思ったけれど、出してきた鋸は錆だらけだ。