超短編
サーモンピンク色にはおいしいのとおいしくないのがある。
ウサギはそれを瞬時に判別する。「匂いでも嗅ぐの?」と尋ねると、「耳でわかる」という。
サーモンピンクのTシャツ、サーモンピンクのストール、サーモンピンクの枕カバー、耳でちょんちょんと触っては「おいしくない」という。
本当においしいサーモンピンクは、そう簡単には見つからないのだ。