超短編
時間前に待ち合わせ場所に着いたら、相手はまだいない。
入り口のそばのベンチに座り、外を眺めていたが、なかなか現れない。
二十分ほど経って、電話が鳴った。
「どこにいる?」
「ここにいるよ」
目の前の空気が揺らぎ、陽炎のようだった揺らぎがだんだんとくっきりとして、ついに相手が姿を現した。
「ずっとここにいたのに」
「もっと早く電話すればよかったね」
笑いあった。