蝸牛男は「ギャー」と叫びそうになって既の所で息を呑んだ。
「まあまあ、そんなに驚くでない、蝸牛男。蟻地獄のじいさんがそろそろ奇人一行を連れてくるから、待っていなさい」
白髪の茸頭をふんわりさせると、キラキラと胞子が飛び出した。思わず後退る蝸牛男。
「いんや、これは胞子じゃないよ、蝸牛男。キラキララメパウダーだ。だいぶ規格外だけれども、やっぱり人間だし」とウインクする。
そういえば、蝸牛男はすっかりたまげてしまって声が出ていないのだが、茸仙人は蝸牛男の思うことに答えている。
「だってほら、仙人だし」
「おーい、蝸牛男!!」と鯨怪人の声が聞こえてきた。