2008年10月22日水曜日

眩暈

甘い舌を喰みながら、夢だから醒めないでと願う。
けれど、わたしは知っている。願う時にはいつだって覚醒し始めているのだ。
現実に絶望する。仕方なく瞼を持ち上げればひどい眩暈で起き上がることができない。
目を瞑り、わたしだけの揺れに躰を預ける。一度だって味わうことの出来なかったあなたの舌をゆっくりと反芻しながら、わたしは再び眠りに落ちる。