2015年7月30日木曜日

夏のお供え

月の使いであるところの小さな人たちは、満月のお供えものを支度するのに大忙しである。
「お月さまはなにが食べたいって?」
「暑いから、かき氷がいいって!」
「お団子は?」
「それは次の次の満月!」
旧式のかき氷機は大きくて、この小さな人たちでは動かせそうもない。どうなることかと思ったけれど、よくよくお願いしてみたらかき氷機自ら働いてくれた。お月さまも満足そうに輝く。
「涼しいねえ」
「冷たいねえ」
降りしきる氷と月光をを浴びて、小さな人たちはキラキラと輝く。ほら、地球人に見つからないように気をつけて!

 イラストレーション:へいじ