超短編
いつもより強い色ばかり作っていることに気がついたのはウサギだった。
「妙な色だな、悪くはないけど」と。
赤、青緑……それもずいぶん濃い。私はそんな色を四回作ってから、やっといつもの色を取り戻した。
ウサギは「あ、戻ってきた」と呟いた。
「疲れてたのか?」とも呟いた。
たまにはこんな色も出るのだ、私でも。こんな色が出るなら、時々疲れるのも悪くない。
手を絵の具で汚した後は、ずいぶんすっきりした。